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ポリ塩化ビフェニル廃棄物(PCB廃棄物)は、有毒性があるという事実が世間を震撼させました。高濃度と低濃度ともにPCBを含むものは人に甚大な被害をもたらしたため、絶縁性の高さから人気を博したPCBですが全て廃棄するよう法律が整備されたのです。
その処理期限は差し迫っており、高濃度が先に廃棄期限を迎え、令和9年3月末日には低濃度も処理期間満了を迎えます。処理期間を過ぎると罰則がある上に、長く保管しているのは危険であるため、早めの処理を心がけましょう。
神戸環境クリエートでは、微量PCB汚染絶縁油・低濃度PCB汚染物・低濃度PCB廃油の処理ができるロータリーキルン・ストーカ炉を採用しています。
また、処理場は敷地面積が広く4,212平方メートルあり、敷地内には浄化のためのさまざまな設備を完備しています。24時間廃棄物を焼却できるほか、悪臭や高温の排熱を防ぐ設備を利用して温暖化対策に貢献しています。
ジオレ・ジャパンには、1日あたり7.68キロリットルの低濃度PCB廃棄物を処理できる、ロータリーキルン炉のある処理場があります。
また、処理場内には段階的に冷却する減温塔が設けられており、高温のまま排ガスが出ない仕組みとなっています。対応するPCB廃棄物は、微量PCB汚染絶縁油と、低濃度PCB含有廃油の2種類のみです。
DINS関西では、サーマルリサイクルと呼ばれる中間処理場で、低濃度PCB廃棄物の処理をしています。
ロータリーキルン炉・燃焼ストーカ炉で連続燃焼法方式を採用しており、低濃度PCB廃油については1日あたり7.7キロリットル、低濃度PCB汚染物・低濃度PCB処理物・粘土の高い廃油も1日あたり2トンの処理が行えるようになっています。
かんでんエンジニアリングは、持ち運び可能な低濃度PCB廃棄物の洗浄装置、スピカを開発し運用しています。
移動不可能な筐体や、炉に入らない廃棄物も、現地に赴き洗浄してくれるので安心です。スピカにて無害化してから解体し搬出を行うので、自社の敷地内で作業をするのに抵抗がある方でも心配要りません。また、焼却せずに無害化できるため、リサイクルが可能です。
神鋼環境ソリューションは、新日鉄エンジニアリングと共同開発したプラズマ溶融分解法で、低圧トランスやPCB含有汚泥などの異なる多種多様なPCB廃棄物を一括で処分しています。
電気エネルギーで発生する15,000度以上の高温のプラズマと、1,400度以上の溶融浴が相乗効果を生み、炉の温度を高めて無害化することができるようになっています。
大栄環境グループに属している三重中央開発。グループ会社の協力によって低濃度PCB廃棄物の収集運搬から最終処分まで対応可能です。搬入されたPCB廃棄物をジュール熱によってガラス状の固化体にし無害化する「ジオメルト法」を採用しています。
中小企業者や個人事業主、中小企業団体等(法人や個人など)を対象に、PCB廃棄物の収集運搬費用等や処分費用の一部を軽減する制度です。軽減率は個人が95%、中小企業者と法人が70%となっています。
助成金はPCB廃棄物処理基金や国庫補助金から成り立っており、適用を受けるには申込が必要。申込についてはPCB廃棄物処理手続きの契約直前にJESCOからお知らせがくる仕組み。案内がない場合は申込ができないため注意しましょう。
トランス類、コンデンサ類、PCB油類、安定器等・汚染物、保管容器
※ JESCOにおいて処理する高濃度PCB廃棄物のみが対象
情報引用元:環境省「中小企業者等の軽減制度について」
PCB廃棄物処理基金とは、PCB廃棄物の早期適正処理を目的とした助成事業に用いられている基金です。独立行政法人環境再生保全機構が運営しており、国や都道府県からの補助金のほか産業界などの民間からの出えん金によって造成されています。
「中小企業者等軽減制度」にも用いられており、PCB廃棄物の収集運搬費用や処分費用などを助成。また、PCB廃棄物処理の研究や研修の促進、代執行における処分等措置に要する費用の軽減にも用いられています。
情報参照元:独立行政法人環境再生保全機構「PCB廃棄物処理助成業務」
急いでいたとしても、処理能力が高く、低いコストで頼める業者にできることなら依頼したいものです。
上記に当てはまるという方は、近畿エリア以外の業者にも見積もりを取ってもらうことをおすすめします。近場にある業者は運搬費用がたしかに安いですが、期間や処理能力を考えるとお得にならないケースがあります。
たとえば、複数の種類の低濃度PCB廃棄物を所有しているのに、近場の業者で数点しか回収対象でないとしたら、他業者にも依頼する手間がかかります。しかし、初めからトータル的に考えて自社の状況に合う業者に依頼できたのなら、コストも手間も削減できる可能性があるでしょう。
なんとなく近隣の産廃業者を選びがちですが、期限や予算組みを考えると、短期間で確実に処理を完了させられる可能性の高い事業者への依頼がおすすめです。
その指標として、処理能力の高い業者(グループ単位)上位3社(※1)をピックアップしました。低濃度PCB処理における「ビッグスリー企業」への依頼を視野に入れ、スムーズにPCBの廃棄を完了させてしまいましょう。
※1 2021年3月時点、当サイト調べによる。PCB廃油・処理物の1日あたり処理量が最も多い企業およびグループ
※2 2021年3月時点、当サイト調べによる。処理場ひと施設あたりのPCB廃油・処理物の1日あたり処理能力が最も高い