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塗膜

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塗膜とは

PCB含有塗膜のある橋梁イメージ

塗膜は、外壁や屋根に塗った塗料が乾燥して固まったものを言います。塗膜は建物を雨水や紫外線や熱から保護する役割を持ちますが、一部の塗料にPCBが使用されていました。そのために塗膜にPCBが含まれている場合除去工事をすることが必要になります。

塗膜のPCBを判別する方法

塗膜にPCBが含まれているかを判別する方法は、塗料の製造年月日を調査することになります。

1966年から1974年の間に建設や塗料の塗り替えが行われ、1975年以降に塗料の完全塗り替えを行っていない場合は、塗料のPCBが今でも健康を害する可能性があります。

そのときは、塗料の仕様書を探しPCB含有塗料の記載があるのかを調査します。その上で塗料のサンプルを採取し含有量試験を実施することになります。

加えて1960年代~1970年代初めに製造された鋼構造物用の塩化ゴム系塗料の一部に、PCBが使用されていたというデータも。高度成長期に建てられた橋や建造物の塗料に使用されている可能性が高いため、建造物が建てられた時期を確認する必要があります。特に使用されていると推定されている建造物は、以下の通りです。

塗膜にPCBが含まれている可能性がある場合、部材採取法を使った正確な調査を実施して判定します。濃度に応じて適切な施設で処理しましょう。

塗膜の低濃度PCBを廃棄するまでの流れ

塗膜にPCBが含まれていると判別されたなら、専門業者に塗膜の除去工事をしてもらいます。

このとき、労働安全衛生法と関連法令に従い除去工事を行います。それから、国の認定又は都道府県の許可を受けた低濃度PCB処理施設まで、許可業者が収集・運搬し、低濃度PCB含有の塗膜の処分を行うことになります。

塗膜にPCB汚染物が確認できた場合、種類に応じてどのようなプランが適切かを検討し、見積もりを処理業者に出してもらいます。

ブラスト工法やインバイロワン工法など、粉塵が発生しにくい方法で対応する会社も。業者によっては除去するだけでなく塗装塗り替えなど現場の状態やベストな方法を調査した上で提案してくれるので、事前に要望を伝えておくと処理作業をスムーズに進められるでしょう。

注意点として、低濃度PCBの場合は民間の指定された施設で対応できますが、高濃度PCBの場合はJESCOのみ対応可能です。

塗膜のPCB処理費用

実際に発生する処理費用は、処分場までの収集および運搬と処理にかかる費用が想定されます。

塗膜PCB処理費用は、各社で設定されている金額に違いがあります。一律料金ではないので、各社に見積もりをとって、どこまで対応してもらえるのか確認することをおすすめします。

JESCOのホームページに掲載されている資料では、トランス類やコンデンサ類の料金しか記載がありませんでした。このように、各社によって対応機器が異なるため、問い合わせてから処理を進めるのが良いでしょう。

低濃度PCB処理依頼先の選び方

低濃度PCBの処理費用をできる限り抑えたいという気持ちはわかります。

しかし、低濃度PCBの処理を格安で受ける業者に依頼し、その業者が処理の途中で倒産した場合、低濃度PCBの処理は未完成のままになってしまいます。

低濃度PCBの処理の責任は、依頼した業者にあり、そのために低濃度PCBの処理を確実に行うように監督する必要が依頼者にはあります。

このようなことも踏まえて財務力がしっかりしている大手の低濃度PCB処理業者に依頼することも1つの手かもしれません。

低濃度PCB処理
依頼先のわかりやすい選び方

PCB含有塗膜調査とは

実施内容・背景

一部の塗料の可塑剤として添加されていたPCBは、道路橋などの鋼構造物の塗膜から検出されています。この塗膜について、塗膜としての使用を廃止した場合は低濃度PCB廃棄物に該当すると考えられています。

現在PCB廃棄物において処分期限内の処分が求められていることから、各省庁や自治体、民間事業者によるPCB含有塗膜調査が行われています。なお、調査には環境省が作成した調査実施要領(第2版)等を参照します。

PCB含有塗膜調査の方法

PCB含有塗膜調査では実施に際して机上調査や現地調査それぞれに注意すべきポイントが複数あり、適切な流れと注意点を把握しておかなければなりません。

調査は以下のような流れに沿って進められることになります。

調査対象(施設)の選定・塗膜採取箇所の選定

机上調査として、まず施設台帳などの資料を参照しながら、PCB塗料の使用の疑いがある「1966年(昭和41年)~1974年(昭和49年)」の時期に建設・塗装された鋼製構造物をピックアップします。ただしPCB塗料の使用から短くとも半世紀が経過しており、すでに資料が散逸していたり施設の改修が行われていたりといったケースもあります。

特に改修や再塗装が行われていた場合、その施工履歴が台帳に記載されていない場合も多いため、調査の詳細について発注者と協議しなければなりません。

現地採取(塗膜採取)

事前の調査と選定結果にもとづいて、現地で塗膜の採取を行います。塗膜を採取する際にはPCBが飛散したり作業員が吸引したりしないよう安全対策を実施して、また作業員も防護装備を調えた上で安全に配慮して作業してください。

PCB塗膜片(サンプル)の運搬・PCB含有量分析

現地採取で得られたPCB塗膜片(サンプル)は廃棄物処理法やPCB特別措置法の適用外になるため、サンプルの運搬に関しては役所への届出が不要です。サンプルは分析能力を備えた期間で室内分析によって実施してもらい、PCB含有量などの数値を計量証明書として発行してもらいます。

PCB含有塗膜調査結果報告書の作成

分析結果をまとめた報告書を作成して提出します。

調査対象

【調査対象施設】

(1)橋梁
① 道路橋(歩道橋及び可動橋並びに農道、臨港道路等における橋梁を含む。)
② 鉄道橋(旧国鉄・JRの標準仕様に基づくものは除く。)
(2)洞門
(3)排水機場・ダム・水門等
(4)タンク
① 石油貯蔵タンク
② ガス貯蔵タンク
(5)船舶

(1)~(3)(排水機場)はPCB含有塗膜の発生が確認されたもの。
(3)(排水機場以外)~(5)は関係団体への調査、既存の標準仕様からPCB含有塗料の使用の可能性があるもの。
昭和41年~昭和49年までに建設又は塗装の塗替えが行われ、屋外に設置されたものが調査対象。

情報参照元:環境省「PCB含有塗膜調査について」

【調査結果の更新】

令和2年(2020 年)3月末、令和3年(2021 年)3月末、以降、毎年3月末時点とする。
各省庁、地方自治体、民間事業者における令和2年3月末時点の調査の進捗状況について、環境省において把握し、情報を整理。
※現時点の情報であり、今後、さらに調査を進める予定。

情報参照元:環境省「PCB含有塗膜調査について」

調査対象施設数

情報参照元:環境省「PCB含有塗膜調査について」

表のデータによると、合計298の機関・事業者において32,354の調査対象施設が存在しています。そのうち72%(23,195施設)が地方自治体であり、次いで民間事業者、各省庁となっています。(民間保有の船舶は、地方自治体より各保有者に直接照会。そのため、他の施設とは集計方法が異なります)

また、調査対象施設のうち全体の82%(26,534施設)が橋梁という結果でした。排水機場・ダム・水門が13%(4,260施設)を占めています。

分析を行うべき調査対象施設

情報参照元:環境省「PCB含有塗膜調査について」

サンプル採取やPCB含有量試験を行うべき対象施設は全体で18,550。調査対象施設から明らかにPCB含有塗膜がないことを書面等で確認した施設を除いています。
また、18,550の施設のうち55%にあたる10,279施設がPCB濃度を把握済みです。なお、PCB濃度が5,000mg/kg超の施設は、PCB濃度把握済みの1%程度(最大濃度90,000mg/kg) でした。

保管する施設数・保管塗膜量

情報参照元:環境省「PCB含有塗膜調査について」

現在、各省庁や地方自治体、民間事業者を合わせ、705施設で1,794トンのPCB塗膜くずを保管している状態です。そのうちPCB濃度が5,000mg/kg超のものは72トン(4%) (最大濃度31,000mg/kg) 、 5,000mg/kg以下は1,071トン(60%)、不検出/非PCB(※)は646トン(36%)という結果でした。

処理実績

情報参照元:環境省「PCB含有塗膜調査について」

平成31年度(令和元年度)末までにおけるPCB含有塗膜の処理実績は、合計で4,032トン。JESCOで59トン、無害化処理認定施設で3,973トンという結果でした。

なお、表の数値はJESCOにおける5,000mg/kgを超える塗膜、無害化処理認定施設における5,000mg/kg以下の塗膜の処理実績となっています。
また、JESCOの処理量において平成31年度分が減少していますが、これは焼却方式によるPCB汚染物の処理方法の検討が行われたためではないかと考えられています。

有害物質を含む塗膜の回収方法

PCB塗料のような有害物質を含んだ塗膜を改修する場合、大前提として周辺への環境汚染や作業員への健康被害について対策することが求められます。

塗膜を剥離する部位をビニールなどで完全に覆って塗料の破片や粒子などが飛散しないよう配慮し、また作業員についても汚染物質を吸い込んだり直接触れたりしないようにマスクやゴーグル、手袋といった防護装備を使用しなければなりません。

なお、採取するポイントの選定は環境省から発行されている通知書(ポリ塩化ビフェニルを含有する可能性のある塗膜のサンプリング方法について 令和元年10月11日)に規定されているルールに則って行われることも重要です。

剥離作業を終えた後は対象部位の腐食や劣化を防ぐため防錆塗料などによって補修します。

作業時の注意点

PCB塗料のような有害物質を含んだサンプルを回収(剥離)したり、それを運搬したりする場合、その有害物質の濃度によっては「特定化学物質障害予防規則」の適用対象になることがポイントです。

なお、分析前で具体的な濃度が判明していない場合、予防策として危険性があるという前提で対処することも重要になります。PCBに関していえば「含有濃度1.0%以上」の場合に該当規則の適用対象になります。

特定化学物質障害予防規則の適用を受ける場合、湿式による作業の実施や作業主任者の選任などを行い、また適切な作業指示やフローの構築、有効な防護装備・保護具の着用といったルールを厳守しなければなりません。

その他、鉛(0.06%以上)やクロム(1.0%以上)といった有害物質についても同様に対策しなければならず、特に鉛に関しては平成30年7月30日厚生労働省「鉛中毒予防規則等の「含鉛塗料」の適用について」が根拠となります。

情報参照元:厚生労働省「PCB塗膜除去作業等でのばく露等に関する文献等について」

剥離作業におけるPCBばく露について

ばく露とは人を含めた生物が化学薬品や化学物質、放射線といった有害性のあるものへさらされることを意味しており、PCB含有塗膜の調査などにおいてPCB塗料(サンプル)の剥離作業を行う場合、常にPCB汚染物質にばく露するリスクがあることを認識しておかなければなりません。

また、塗膜を剥離させる工法の種類によってもばく露濃度やリスクが変わることも重要です。

例えば微少な研磨剤を投射して剥離を行うブラスト法と、ディスクサンダーを用いて剥離を行う場合、粉塵そのものの発生量は圧倒的にブラスト法が多く、有害物質の濃度はディスクサンダーの方が高いという点が特徴です。

これは粉塵としてブラスト剤も含まれていることが想定されており、一方でディスクサンダーなどの工具で剥離する場合は、粉塵そのものの量が少なくても含有濃度が高いため油断してはいけません。

なお作業後は個人ばく露濃度測定を実施し、血中PCB濃度の数値を調査することも大切です。

情報参照元:厚生労働省「PCB塗膜除去作業等でのばく露等に関する文献等について」

湿式工法とは

湿式工法もしくは湿式剥離工法とは、対象となる部位や塗膜を化学薬品などで溶解・膨潤・軟化させた上で塗膜を浮かび上がらせ、それをスクレーパーなどの工具で除去する剥離方法です。

乾いた状態で回転式工具や電動工具を使って剥離させたり、ブラスト法によって剥離させたりする場合、どうしても汚染物質の飛散リスクが高まり周辺に環境汚染や健康被害の危険性を高めてしまうことになります。

一方、湿式工法ではあらかじめ対象部位を専用の薬剤等で湿らせた上で、作業員がスクレーパーなどを使って削り取るため、無秩序に汚染物質を飛散させることなく、また剥離作業がスムーズに進められるという点でもメリットがあります。その他にも、騒音防止というメリットも重要です。

特定化学物質障害予防規則の適用対象になるようなPCB汚染物質などの場合、湿式工法による作業が求められます。

湿式ブラスト処理

湿式ブラスト処理は「ウェットブラスト」とも呼ばれ、水と研磨剤(ブラスト剤)を混合・攪拌したものを圧縮空気で噴射して、対象を加工する技術です。そもそもブラスト法では微少な研磨剤を射出して剥離するという物理衝撃による剥離となりますが、研磨剤に水や薬液を混合しておくことで粉塵の飛散を予防しつつ、塗膜を柔らかくして剥がれやすい状態にすることがメリットです。

湿式ブラスト処理は他にも「液体ホーニング」といった呼ばれ方をすることもあります。

剥離剤による処理

剥離剤は文字通り、塗膜などを剥離させるための専用薬剤です。剥離剤を使用すると塗膜や塗装が溶解して膨潤し、柔らかい状態になります。また対象部位との接着度・密着度も低下するため、浮かび上がらせた塗膜をスクレーパーなどで簡単に剥がせるようになる点が特徴です。

剥離剤は水溶液系と溶剤系の2つに大別され、水溶液系としてはアルカリ系や酸系、高級アルコール系剥離剤のように様々なタイプの剥離剤が用いられます。また溶剤系にはジクロロメタンが含有されているものの、対象物への腐食や劣化といったリスクを軽減するために土木研究所が提唱する剥離ガイドラインにおいて「特化物第2類を含有していない」ということが望ましいともされています。

情報参照元:厚生労働省「PCB塗膜除去作業等でのばく露等に関する文献等について」

低濃度PCB処理施設の
ビッグスリー

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オオノ開發の処理施設

引⽤元:オオノ開發 https://www.ohno-as.jp/frep/

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収集運搬対応地域

全国
※日本各地に支店あり
(東京、大阪、福岡、愛媛)

処理能力ピカイチ(※2)
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クレハ環境のPCB無害化処理施設・設備

引⽤元:クレハ環境 https://www.kurekan.co.jp/treatment/iwaki.html

  • 濃度10%までのPCB汚染物を処理できる
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収集運搬対応地域

北海道、東北、関東、東海

産廃の大手
エコシステム
エコシステム秋田のPCB無害化処理施設・設備

引⽤元:エコシステム秋田 https://www.dowa-eco.co.jp/EAK/pub

  • 廃棄物処理業大手
  • 秋田から岡山まで全国5か所にPCB処理施設を持つ
収集運搬対応地域

公式サイトに記載無し

※1 2021年3月時点、当サイト調べによる。PCB廃油・処理物の1日あたり処理量が最も多い企業およびグループ
※2 2021年3月時点、当サイト調べによる。処理場ひと施設あたりのPCB廃油・処理物の1日あたり処理能力が最も高い