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PCB処理業者を検討するにあたって、本来であれば処理場の視察を行って、適正な処理を行えるのかどうかを協議する必要があります。
しかし、視察の敢行がなかなか難しい現状もあるでしょう。こちらの記事では、低濃度PCB処理に対応する施設としては広大な処理・処分場を持つオオノ開發「フレップとうおん」にスポットを当てました。
これからPCB処理の事業者を検討する方に向けて、参考となる情報となっています。
フレップとうおんは、愛媛県東温市にある複合処理施設のことです。国内外の新しい技術を用いた設備があったり、他ではあまりみかけない大型機械が採用されていたりと、処理施設の中でも廃棄物処理のテーマパーク、遊覧色が濃い施設となっています。処理施設内では主に、産業廃棄物や一般廃棄物の焼却や発電・低濃度PCB無害化・汚染土壌の焼成・木屑粉砕や炭化の処理を行っています。
フレップとうおんの施設内にある複合リサイクルプラントには、全長40m直径4mのロータリーキルンがあり、1日あたり240tの焼却、720tの焼成ができるようになっています。焼却する廃棄物によって温度の調整を行い、最高1200度での燃焼が可能です。
SSTプラントは焼却焼成炭化施設で、ロータリーキルンと炭化炉を組み合わせた施設です。木材チップを1日あたり24t炭化処理することができます。ロータリーキルンで焼却する際に発生する予熱を利用し、炭化炉を温めています。
SSHプラントは焼却焼成発電施設で、ロータリーキルンと発電プラントを組み合わせた施設です。ロータリーキルンで焼却した際に出る熱を廃熱ボイラに通し、タービンを回して発電させます。発電量は年間576万kwにも上ります。
各ロータリーキルンにはドラム缶専燃装置が設置されています。固形や高粘度を問わずにドラム缶を自動で焼却できるようになっています。1日あたり300本のドラム缶を自動で焼却炉に送っています。
環境科学研究センターは、受入れ廃棄物の分析測定から、処理後の無害化確認までを行う施設です。適切に処分が行われたかどうかを証明できる、処理業務には欠かせないセンターとなっています。
特殊廃棄物処理は、低濃度PCB廃棄物など特殊な廃棄物の処理を行う施設です。365日24時間受入れ可能な専用保管庫を設置しています。分析から運搬、熱処理や最終処分まで全て対応しています。中小型の廃棄物はトンネルキルンで焼却され無害化します。
上記の特殊廃棄物処理の施設内にあるシャトルキルン炉は、炉口が大きいため、大型機器は細かく裁断しなくても無害化処理することが可能です。
フレップとうおんでは工場見学を受け付けています。一般向けに開放された施設のため、気軽に施設見学ができます。不定期で大型油圧ショベルなど、大型製品を体験できるイベントも開催しています。
また、広大な500ヘクタールの敷地面積を持つ同施設は見所もたっぷりで、松山自動車道と国道11号の両方からアクセスできる好立地にあり、近隣の県の方は立ち寄りやすいでしょう。
フレップとうおんは、環境負荷の少ない運営を目指して取り組んでいます。自家発電や熱を再利用して設備を動かすなど環境に配慮した取り組みで、年間7651tのCO2を削減できています。また、災害発生時には復旧や復興のために、施設の処理能力で協力する体制を整えています。
PCBに関するSDGsは、有害物質の環境放出を防ぎ、2027年までには全国の保管量を低減することを目標として掲げています。そして、既存施設を効率的に運用することで、早く低濃度PCB廃棄物を処理できるように努めています。