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PCB廃棄物が発見された事例

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PCB廃棄物が残ったままになっていないか調査する際の参考になるように、PCB廃棄物が発見された事例を紹介します。また、確認する場合の注意点についてもまとめました。

低濃度PCB廃棄物が発見された事例

廃自動車整備工場

廃自動車整備工場で安定器掘り起こし調査を行なった際に、配電盤に取り付けられたままの状態の低圧進相コンデンサーを5台発見。製造年やメーカーのウェブサイトでPCBの有無を確認したところ、低濃度PCBの疑いのある機器とPCB非含有機器が混在していることが判明しました。

参照元:環境省「低濃度PCB廃棄物掘り起こし事例」(http://pcb-soukishori.env.go.jp/teinoudo/about/examples.html)

リース品のX線装置

過去の掘り起こし調査で「PCBなし」との回答を得ていたリース会社に対し、県が啓発文書を改めて送付したところ、事業者からPCB含有のコンデンサーが発見されたという連絡があり発覚した事例です。

事業者によれば自社の事業場に設置された機器にはPCB含有機器はなかったものの、長年貸し出していたX線装置が返却され、装置内を確認したところ高濃度PCB含有のコンデンサーと低濃度PCB含有のコンデンサーが発見されたとのこと。このように機器の利用者と所有者が別のリース品の場合、責任の所在があいまいになることから、PCBが見落とされる可能性が高くなります。

参照元:環境省「低濃度PCB廃棄物掘り起こし事例」(http://pcb-soukishori.env.go.jp/teinoudo/about/examples.html)

廃業した会社の代表者が保管

約10年前に製造業を廃業した会社の元代表者から連絡があり、発覚した事例です。元代表者が連絡するきっかけとなったのが、環境省が流していたCMおよび県の新聞広告とのこと。自宅に似た物を保管しているとの連絡を受けて元代表者の自宅を訪れたところ、プラスチック容器に保管された状態の低圧進相コンデンサー(昭和47・48年製)が6台確認されました。

メーカーに問い合わせたところ、低濃度PCB含有の可能性があるとの回答あり。元代表者によれば、廃業する際に電気工事業者に処分を依頼したものの断られてしまったため、自宅でそのまま長年保管していたとのことです。

参照元:環境省「低濃度PCB廃棄物掘り起こし事例」(http://pcb-soukishori.env.go.jp/teinoudo/about/examples.html)

高濃度PCB廃棄物が発見された事例(継続保管)

高濃度PCB廃棄物についても、低濃度PCB廃棄物と同様に見落としや銘板の読み間違いなどで処理期間後に発覚するケースは少なくありません。ここでは環境省から発表されている高濃度PCB廃棄物の「計画的処理完了期限後に発見された継続保管事例」(※)について紹介していきます。

参照元:【PDF】環境省「計画的処理完了期限後に発見された継続保管事例」(https://www.aisankyou.com/indexpdf/R030305_env_high-pcb__hokanjirei.pdf)

休止設備に残っていた高圧コンデンサー

低圧進相コンデンサーを処分するにあたって、事業所に微量PCB含有の可能性がないか調査したところ、休止設備に残ったままの古い高圧コンデンサーを発見。メーカーに問い合わせた結果、高濃度PCB機器ということが判明しました。ちなみに高濃度PCB機器が発見された事業所は、政府全額出資のもとPCB廃棄物処理事業を行なっているJESCOの未登録台帳に記載されている事業者だったとのことです。

品番確認がされないまま残っていたキュービクル

確実な品番確認が行なわれないまま「高濃度PCB含有なし」と判断されていた、使用中のキュービクルから高圧コンデンサーが発見された事例です。電気保安法人の管理システムに「高濃度PCB含有なし」として登録されていましたが、本部の指示で管理システムデータの総ざらいが行なわれ、高圧コンデンサーの発見に至りました。

銘板の読み間違いによる未処理事例

1980年代に竣工された建物から、使用中の高濃度PCB含有高圧コンデンサーが発見された事例です。このコンデンサーは竣工から数年後に高圧進相コンデンサーが故障した際に設置され、1960代の物でしたが銘板の読み間違いで1980年代製だと誤認されたまま使用していたとのこと。事業者が低濃度PCB機器の調査を依頼したところ、高濃度PCB含有高圧コンデンサーとして発見されました。

研究用低温室に保管されていた高濃度試薬

研究用低温室の大掃除・棚卸しを行なっていた際に、実験室の奥に設置されていた棚から試薬が封入されたガラス容器とPCBと記載されている外箱を発見。試薬を分析依頼した結果、高濃度PCB廃棄物であることが判明しました。

銘板の張り替え疑いがある配電設備

配電設備を調べていたところ、銘板に1975年製と記載があり、年代から高濃度PCBは使用されていないと判断。ただ、微量PCB混入疑いのある年代ではあったため、濃度分析にかけた結果、高濃度PCB含有コンデンサーであることが判明しました。製造元のメーカーに問い合わせたところ、「銘板に仕様上はあり得ない形式・重量が刻まれていることから銘板が張り替えられた可能性が極めて高い」との回答があったとのことです。

溶接機に内蔵されたコンデンサー

低濃度PCB廃棄物として処理しようとしていた溶接機に内蔵されたコンデンサーから、高濃度PCBが発見された事例。溶接機製造メーカーからは低濃度PCB含有コンデンサーが内蔵されていると回答を受けており、収集運搬業者と協議していた際に、業者から高濃度PCB廃棄物ではないかとの指摘を受けてコンデンサー製造メーカーに確認。その結果、高濃度PCBが使用されたコンデンサーであることが判明しました。

データを活用して発見した事例

JESCO未登録台帳を活用して発見

物流会社の敷地で高濃度PCB廃棄物を発見した事例です。物流会社が引き継ぐ前は生コン工場であり、倒産によって工場は解体されていました。しかしJESCO未登録台帳をもとに現地調査を行った結果、工場解体後も残存していたキュービクル内部にコンデンサー2台を発見。高濃度PCBを含有していることがわかりました。

参照元:【PDF】環境省「掘り起こし調査等における高濃度PCB廃棄物等の発見事例」(https://www.tokushima-sanpai.org/new/2111_02.pdf)

掘り起こし調査対象以外の機器

アパレル製造工場で高濃度PCB廃棄物が発見された事例です。アパレル製造工場において変圧器やコンデンサーの現地調査を行った結果、壁面に設置された配電盤に低圧進相コンデンサーが設置されているのを発見。コンデンサーメーカーに問い合わせを行ったところ、高濃度PCB含有製品であることがわかりました。

参照元:【PDF】環境省「掘り起こし調査等における高濃度PCB廃棄物等の発見事例」(https://www.tokushima-sanpai.org/new/2111_02.pdf)

シーン別の発見事例

病院にて発見されたケース

閉院予定の動物病院で高濃度PCB廃棄物が発見された事例です。動物病院から閉院の際の廃棄物処理について問い合わせがあり、現地調査を実施。調査の結果エックス線機器に付属した変圧器が高濃度PCB含有製品であることがわかりました。

また、他事例では、閉院している動物病院でレントゲン装置に高濃度PCB含有コンデンサーが使われていたケースもあります。

参照元:【PDF】環境省「掘り起こし調査等における高濃度PCB廃棄物等の発見事例」(https://www.tokushima-sanpai.org/new/2111_02.pdf)

建物解体にて発見されたケース

倉庫を解体中の建設業者が高濃度PCB廃棄物を発見した事例です。解体中の建設業者がコンデンサーを発見し、自治体に問い合わせたところ、高濃度PCB含有コンデンサーであることがわかりました。

また、他事例では、解体工事中に自治体職員が現場パトロールを行っていたところ、ビニール袋の入った安定器を発見。高濃度PCB廃棄物であることがわかりました。

参照元:【PDF】環境省「掘り起こし調査等における高濃度PCB廃棄物等の発見事例」(https://www.tokushima-sanpai.org/new/2111_02.pdf)

高所にて発見されたケース

廃工場の現地調査で高濃度PCB廃棄物が見つかった事例です。現地調査中に高圧受電設備が高所に設置されているのを発見。工事業者によってコンデンサーを降ろして確認したところ、銘板から高濃度PCB含有コンデンサーであることがわかりました。

また、他事例では職員が道路を通行中に高所に設置された高圧受電設備を発見した事例も。こちらも銘板から高濃度PCB含有コンデンサーがあることが判明しました。

参照元:【PDF】環境省「掘り起こし調査等における高濃度PCB廃棄物等の発見事例」(https://www.tokushima-sanpai.org/new/2111_02.pdf)

見つけにくい場所で発見

倉庫内の天井角部でPCB含有安定器を発見した事例です。自治体職員が現地調査を行っていた際、見つかりにくい天井角部に安定器を発見。銘板により、PCBを含有していることがわかりました。
また、他にも、アーケードの修繕工事中に水銀灯安定器を発見。アーケードのある商店街は掘り起し調査対象場所でしたが、LEDに取替えていたため「保有なし」と回答していました。見つかった水銀灯安定器の銘板は読めないものの、アーケードを昭和40年に設置していることから「PCB含有製品」とみなして処分しました。

参照元:【PDF】環境省「掘り起こし調査等における高濃度PCB廃棄物等の発見事例」(https://www.tokushima-sanpai.org/new/2111_02.pdf)

商業施設のエスカレーターからPCB含有安定器が見つかった事例です。商業施設と保守点検契約を行っているエスカレーターの管理会社からの報告によって判明しました。その後行った調査によると、全部で228個の安定器を発見。その内80個は銘板からPCB含有製品であることが判明したため、残りの安定器も同様とみなし、「PCB含有の疑いあり」と判断されました。

参照元:【PDF】環境省「掘り起こし調査等における高濃度PCB廃棄物等の発見事例」(https://www.tokushima-sanpai.org/new/2111_02.pdf)

確認する場合の注意点

低濃度PCB処理施設の
ビッグスリー

なんとなく近隣の産廃業者を選びがちですが、期限や予算組みを考えると、短期間で確実に処理を完了させられる可能性の高い事業者への依頼がおすすめです。
その指標として、処理能力の高い業者(グループ単位)上位3社(※1)をピックアップしました。低濃度PCB処理における「ビッグスリー企業」への依頼を視野に入れ、スムーズにPCBの廃棄を完了させてしまいましょう。

一氣通貫でおまかせ
オオノ開發
オオノ開發の処理施設

引⽤元:オオノ開發 https://www.ohno-as.jp/frep/

  • 広大な処理場でスピーディな処理が可能
  • プランナーが分析から処理まで一貫提案
収集運搬対応地域

全国
※日本各地に支店あり
(東京、大阪、福岡、愛媛)

処理能力ピカイチ(※2)
クレハ環境
クレハ環境のPCB無害化処理施設・設備

引⽤元:クレハ環境 https://www.kurekan.co.jp/treatment/iwaki.html

  • 濃度10%までのPCB汚染物を処理できる
  • 環境保護に対応した独自技術
収集運搬対応地域

北海道、東北、関東、東海

産廃の大手
エコシステム
エコシステム秋田のPCB無害化処理施設・設備

引⽤元:エコシステム秋田 https://www.dowa-eco.co.jp/EAK/pub

  • 廃棄物処理業大手
  • 秋田から岡山まで全国5か所にPCB処理施設を持つ
収集運搬対応地域

公式サイトに記載無し

※1 2021年3月時点、当サイト調べによる。PCB廃油・処理物の1日あたり処理量が最も多い企業およびグループ
※2 2021年3月時点、当サイト調べによる。処理場ひと施設あたりのPCB廃油・処理物の1日あたり処理能力が最も高い