公開日: |更新日:
PCB汚染物は、種類に合わせて適切に処理できるよう、処理技術も日々進化を遂げています。PCB汚染物とはどんなものなのか?PCB汚染物の特徴や近年の動向をわかりやすくまとめました。
低濃度PCB汚染廃棄物に該当するものとして、以下の種類があげられます。
PCBは産業機器や電子機器だけでなく、身近なプラスチックからも検出される可能性が高い成分です。PCB汚染物に該当するかどうかは数値基準によって判断され、その基準は汚染されている素材によって大きく異なります。例えば、紙くずや木屑の場合、検疫中濃度が0.0003mg/L以下がベースとなりますが、陶磁器くずの場合、0.5mg/kg超えの油が付着していないことが対象です。
PCB汚染物の中には産業廃棄物も存在しますが、特定の工場から排出された廃酸、廃アルカリ、汚泥以外はほとんど廃棄物として規定されていません。ただし廃重電機の場合、中に入っている絶縁油中のPCB濃度0.5mg/kgを基準として汚染物と判断しています。特に規定がなくとも、PCBが混入しているものについては処理対象なので、自社の工場や使用している機械に汚染物がないかチェックしましょう。
PCB汚染物の処理では、用途に応じて以下の技術によりPCBの分解を行っています。
紫外線や熱化学反応など、PCBの種類によって処理方法を変えることで確実に無害化できるように努めています。ただし処理施設によっては対応していない方法もあるため、依頼前にどのような方法でPCB処理を行っているか確認しておきましょう。
PCB汚染物を処理作業するときの一連の流れは、以下の通りです。
ここまでの流れは高濃度と低濃度のPCB汚染物、それぞれで処理方法が変わります。高濃度PCB汚染物(5000mg/kg以上)の場合はJESCOで処理を実施。作業員の安全性を考慮しながら適切な施設で処理を行います。
低濃度PCB汚染物(0.5~5000mg/kg)の場合、複数の無害化処理施設で対応が可能。それぞれのPCB汚染物に応じて、適切な方法で処理します。事前調査でPCBの種類や保管状態、汚染物の解体方法などもある程度確認。最終的な濃度判定は、解体をした後に実施します。
なんとなく近隣の産廃業者を選びがちですが、期限や予算組みを考えると、短期間で確実に処理を完了させられる可能性の高い事業者への依頼がおすすめです。
その指標として、処理能力の高い業者(グループ単位)上位3社(※1)をピックアップしました。低濃度PCB処理における「ビッグスリー企業」への依頼を視野に入れ、スムーズにPCBの廃棄を完了させてしまいましょう。
※1 2021年3月時点、当サイト調べによる。PCB廃油・処理物の1日あたり処理量が最も多い企業およびグループ
※2 2021年3月時点、当サイト調べによる。処理場ひと施設あたりのPCB廃油・処理物の1日あたり処理能力が最も高い