PCB処理におけるみなし処理とは

機器に対して「含有している」とみなして処理

使用を終えて廃止した後の自家用工作物または非自家用工作物の低圧コンデンサーについては、低濃度PCBを含有しているとみなして処理することができます。

みなし処理するのであれば、PCB濃度の確認は不要です。ただし、実際の濃度にかかわらず低濃度PCB廃棄物とみなして処理する場合は、適正に保管する必要があります。また、保管中の低濃度PCB廃棄物の状況について、保管場所を管轄する自治体に毎年度分を翌年度の6月30日までに届出ないといけません。

みなし処理を行うケース

低濃度PCBを含有しているとみなして処理を行えるケースは、「使用中の機器」「特定の期限より前に製造された機器」の2つです。それぞれのケースの特徴や注意点について見ていきましょう。

使用中の機器

絶縁油封じ切り機器は絶縁油を採取するために穴をあけると使用できなくなってしまうため、使用中の機器についてはPCB汚染の疑いありとして記録し、廃止後にPCB濃度を測定します。または、低濃度PCB廃棄物とみなして処理することも可能。ただし、低濃度PCB廃棄物とみなして無害化処理することが予定されている場合でも、保管場所を管轄する自治体への届出が必要です。

ちなみに、使用を終えて廃止した後の自家用電気工作物を電路に再び接続することは、電気事業法によって禁止されています。また、低濃度PCB廃棄物を他人に譲渡することもPCB特措法で原則認められていません。

特定の期限より前に製造された機器

平成2年（1990年）以前に製造された絶縁油封じ切り機器は、PCB汚染の可能性があります。廃棄物となったものに穴をあけて絶縁油を採取し、PCB濃度の分析が必要です。

ただし、絶縁油封じ切り機器や絶縁油の封入量が少量の小型の変圧器等においては、銘板情報などからPCBが使用された絶縁油に由来するものでないことが確実に明らかであれば、低濃度PCB廃棄物とみなして処理することが可能です。

製造年からPCB汚染の疑いありとしてみなし処理する予定のものでも、保管基準に従った適正な保管や保管場所を管轄する自治体への届出が必要となります。平成3年（1991年）以降に製造された絶縁油封じ切り機器についてはPCB汚染の可能性がないため、低濃度PCB廃棄物に該当しません。