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PCB処理業者を探す際、見落とされやすいのが「収集運搬」に対応しているかどうかです。安さにばかり目を向けていると、かえって余計な手間やコストがかかる可能性があります。ここでは、収集運搬から対応可能な業者を選ぶべき理由について解説。また、収集運搬に対応しているPCB処理業者も一覧で紹介します。
PCB廃棄物の収集運搬を行なうには、積み込む場所・荷降ろしする場所それぞれで都道府県知事による「特別管理産業廃棄物収集運搬業許可」あるいは環境大臣による「広域認定」を取得し、定められた基準を満たしていなければいけません。それを踏まえたうえで、収集運搬から対応可能な業者を選ぶべき理由について解説します。
依頼した業者が収集運搬に対応していない場合、収集運搬の基準を満たした業者を別途探す必要があります。作業工程ごとに別々の業者に依頼するとなると手間がかかるほか、余分なコストも発生してしまうのが難点です。
収集運搬から処理までワンストップで対応してくれる業者なら、手間やコストをかけずにスムーズな処理を叶えることが可能。また、自社一貫対応という強みを生かして、状況に応じた柔軟な対応を期待できるメリットもあります。
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地域によっては、近隣にPCB廃棄物の処理を受け入れている認定業者が存在しない場合もあります。収集運搬に対応している業者のなかには遠方からの依頼を受け入れているところもあり、収集運搬から処理までお任せすることが可能。PCB廃棄物の処理に困ったときは、幅広いエリアの収集運搬に対応している業者を探すと良いでしょう。
全国各地の収集運搬に対応しているPCB処理業者は以下の通りです。全国からの依頼を受け入れている業者もあるため、収集運搬に対応している業者が近隣にない方も参考にしてください。
低濃度PCBの分析から最終処分まで対応可能な一貫処理体制を確立している業者です。日本最大規模の大型保管施設および処理施設を揃えており、低濃度PCB廃棄物を安全・確実かつ迅速に処理することが可能。設備が充実しているため、ほぼすべての低濃度PCB廃棄物の処理を受け入れています。
複数の処理拠点と積み替え保管施設を有している強みを生かし、顧客が希望する搬出タイミングに合わせた処理計画の提案を行なっています。また、大型の廃電気機器を解体する設備を所有しているため、トラックや低床トレーラーで運搬できる大きさ・重量(25トン程度)なら、現地での抜油や解体作業なしで運搬・受け入れが可能です。
各地に事業所を展開しており、北海道・東北・関東・東海地域の廃棄物の収集運搬に対応。また、協力会社と連携して幅広い運搬車両を確保し、運搬に関する多様な要望に応えられる体制を整えています。そのほか、30トンまでの大型機器の搬出が可能な施設を2019年に開設。休日や天候関係なく搬出・受け入れに対応しているため、スムーズな搬出を叶えられます。
日本全国からの低濃度PCB廃棄物の収集運搬から最終処理まで行なっている業者です。処理工場を秋田県内に2拠点有しており、秋田市内にあるリサイクリングワーフ秋田は無害化処理認定施設(低濃度PCB処理)として環境大臣から認可を受けています。
群馬県太田市に処理施設を構え、低濃度PCB廃棄物の収集運搬から処理まで行なっている業者です。グループ会社内で完結できる体制を整えているため、処理コストを抑えることが可能。処理施設にはロータリーキルン式焼却溶融炉と低濃度PCB廃棄物専用固定床炉を設置し、高い処理能力を強みにしています。
低濃度PCB廃棄物の調査から収集運搬および処分まで一括対応している業者です。循環型廃棄物処理に取り組んでおり、産業廃棄物の焼却で発生する排熱を自家発電や再生油製造などに再利用しています。また、焼却後の燃え殻を再生砕石や人工砂としてリサイクルしているのが特徴です。
日重環境株式会社 赤城事務所(旧:赤城鉱油)の低濃度PCB処理について詳しく見る
各種処理施設を設置し、産業廃棄物の処理をワンストップで対応している業者です。また、処理施設に環境省から認定を受けた高効率熱回収施設を導入しており、焼却で発生した排熱を再利用するサーマルリサイクルを実現しています。
低濃度PCB廃棄物処理の収集運搬から無害化処理まで対応している環境開発。2基の焼却炉を備えた中間処理施設をはじめ、最終処分施設や保管施設、リサイクル工場を有しています。「よりよい環境を次世代に」を企業理念に掲げており、低濃度PCB廃棄物の処理では廃熱を再利用しながらCO2削減に取り組んでいます。
富山環境整備では全国から低濃度PCB廃棄物を受け入れており、2020年度末までの処理累計実績は10,400トンです。低濃度PCB廃棄物の広域認定を受けているため、全国各地の収集・運搬に対応。大型の筐体も受け入れ可能とのこと。廃棄物も資源と捉えており、無害化した金属等の再資源化に取り組んでいます。
令和2年3月31日に低濃度PCB廃棄物無害化処理の認定を取得した富士クリーン。低濃度PCB処理物をはじめ、低濃度PCB廃油や低濃度PCB汚染物の処理に対応しています。PCB濃度を確認するために分析会社の紹介を受けることも可能。収集運搬では、状況に応じた車両を県下一円に派遣しています。
低濃度PCB廃棄物の調査分析から収集処分までワンストップで対応している業者です。収集運搬では、低濃度PCB油の漏えいを防止するために専任スタッフを派遣。北海道から沖縄まで全国各地からの低濃度PCB廃棄物を受け入れています。
なんとなく近隣の産廃業者を選びがちですが、期限や予算組みを考えると、短期間で確実に処理を完了させられる可能性の高い事業者への依頼がおすすめです。
その指標として、処理能力の高い業者(グループ単位)上位3社(※1)をピックアップしました。低濃度PCB処理における「ビッグスリー企業」への依頼を視野に入れ、スムーズにPCBの廃棄を完了させてしまいましょう。
※1 2021年3月時点、当サイト調べによる。PCB廃油・処理物の1日あたり処理量が最も多い企業およびグループ
※2 2021年3月時点、当サイト調べによる。処理場ひと施設あたりのPCB廃油・処理物の1日あたり処理能力が最も高い