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特別管理産業廃棄物管理責任者の重要性

公開日: |更新日:

特別管理産業廃棄物管理責任者とは

特別管理産業廃棄物管理責任者(特管責任者)とは、法令に従って特別管理産業廃棄物の安全な処理や廃棄業務を管理・監督するために必要な資格です。

また特別管理産業廃棄物は、産業廃棄物の中でも特に、人体や自然環境などに対する有害性や有毒性の認められる廃棄物であり、例えば廃油や廃酸、廃アルカリといったもの、もしくはウイルスや病原菌による感染リスクが存在する感染性産業廃棄物が該当します。

低濃度PCBも特別管理産業廃棄物として扱われており、低濃度PCBの処理作業などに関しては、特管責任者を配置して適切に管理することが法的義務として定められています。

特別管理産業廃棄物と感染性産業廃棄物

特別管理産業廃棄物管理責任者に関する資格要件は、PCBなどのような工業的・化学的取り扱いが求められる特別管理産業廃棄物と、医学的・生物学的取り扱いが求められる感染性産業廃棄物で、それぞれ区別されていることも重要です。

本ページにおいて、ここから下の項目ではPCBなどの特別管理産業廃棄物の取り扱い等に関して解説します。

主な役割と責任

特管責任者の主な役割は特別管理産業廃棄物に関する管理業務全般であり、またその一連の作業や環境の統括です。

低濃度PCBなど危険な廃棄物の取り扱いに関して、排出事業者は事業場へ特管責任者を設置し、周囲の人々や環境に危険が及ばないよう責任を持って管理しなければなりません。

関連法令の概要

特別管理産業廃棄物管理責任者は廃棄物処理法によって定められている資格であり、また低濃度PCBの処理等に関してはPCB特別措置法の定めに則って適切に対処することが必要です。

廃棄物処理法

廃棄物処理法は廃棄物の排出抑制や適正な分別、保管、収集運搬、再生・処分など、廃棄物の取り扱いや生活環境の保全といった目的に関して定めている法律です。特別管理産業廃棄物や特別管理産業廃棄物管理責任者に関しても廃棄物処理法によって様々な要件や基準が定められています。

PCB特別措置法

PCB特別措置法(PCB特措法)は正式名称を「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」と呼び、ポリ塩化ビフェニル廃棄物(PCB廃棄物)の適切な処理の推進を目的として定められている法律です。

PCBは特別管理産業廃棄物の1種として扱われている物質であり、つまりPCBを含めた廃棄物全体の取り扱いについて定めている法律が廃棄物処理法であり、特にPCBの処理や保管など詳細な規定を具体的にカバーしている法律がPCB特措法となります。

特別管理産業廃棄物の定義とは

産業廃棄物は様々な事業活動によって発生した特定の廃棄物を指しており、具体的には燃えがらや汚泥、廃油、廃酸、廃プラスチックなど様々なものが産業廃棄物として扱われます。そして特別管理産業廃棄物は、それらの産業廃棄物の中でも特に人体や環境へ有害と認められるものであり、前述したように廃油や廃酸、廃アルカリ、感染性廃棄物といったものが該当している点も重要です。

低濃度PCBもまさしく人体や環境に対して有害・有毒な物質であり、特別管理産業廃棄物として対応される必要があります。

管理責任者設置の義務とは

廃棄物処理法では特別管理産業廃棄物の管理や処理などを取り扱う際、排出事業者はその管理責任者として事業場へ特別管理産業廃棄物管理責任者の資格を有する人物を配置しなければならないと定めており、これは事業者に対する法的義務となっています。

罰則規定(罰金額、違反時のペナルティ)について

特管責任者を配置せずにPCBなどの処理を行ったり、資格を取得していないのに管理責任者であると偽ってPCB処理を請け負ったりした場合、法律によって罰金刑や懲役刑が科せられることもある点が重要です。

管理責任者の役割と責任

具体的な業務内容

特別管理産業廃棄物管理責任者の業務は多岐にわたります。具体的には廃棄対象になる物質の種類や量をチェックし、適切な処理方法を判断し、具体的な処理計画の立案や処理工程の監督といった作業が該当します。加えて、処理を他の業者へ委託する際には適切な業者の選定や、それに至るまでの廃棄物の保管といった業務も特管責任者の責任において実施しなければなりません。

日常業務における責任

実際にPCBなどの特別管理産業廃棄物に触れない時でも、特管責任者は緊急時に備えた対応策や管理マニュアルを用意し、それらの内容を従業員へ周知徹底するといった教育・指導業務を行います。また、PCBなどの処理を要する事業者の相談に応じて、廃棄物管理計画の策定や具体的なスケジュール管理といった業務を担うこともあるでしょう。

特管責任者の資格要件

資格取得の条件

特管責任者の資格取得には、大きく学歴・職歴によって認定される場合と、それらと同等以上の知識を有する者として認められる場合と、大きく2つのパターンがあります。

学歴や職歴によって認定される場合、例えばすでに環境衛生指導員の資格を有している人や、大学などで衛生工学や化学工学などの単位を終了している人などが、それぞれの学歴に合わせて一定の実務経験を得ることで資格認定されます。なお、学歴に応じた資格のない人であっても、特別管理産業廃棄物の処理業務などに関して10年以上の実務経験を持っている場合、資格認定を受けることが可能です。

一方、そのような学歴や職歴のない人でも「特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会」を受講し、修了試験に合格すれば資格を取得することができます。

認定プロセス

講習会は全国の自治体でそれぞれ実施されており、コロナ禍による影響を受け令和2年度以降はインターネットを活用して講義動画を視聴するオンライン受講が基本となっています。

ただし修了試験は現地会場で行われるため、全てをオンラインで完了することはできません。

修了試験は二者択一および四者択一のマークシート方式となっており、7割以上の正解で合格となります。

資格取得のための講習会とトレーニング

特管責任者の資格取得を目指して講習会を受ける場合、申請から受験までの期間はいつでもオンラインで講習会の内容を視聴することが可能です。そのため自分一人でしっかりと勉強すれば独学でも合格は不可能ではありません。

しかし自主学習が不安であれば現地で講師による講義を受けた後に修了試験を受験することも可能です。

講習会の種類と内容

講習会はオンライン講習会と対面講習会の2つを任意に選択することが可能であり、受講科目はまず「廃棄物処理法概論」を受講した後に、「廃棄物の処理と管理」について学ぶという流れです。

主催機関と提供形態

公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)では、オンライン講習会と対面講習会の両方を開催しています。

受講方法と申込み手順

受講の申し込みはオンライン・対面いずれの場合も日本産業廃棄物処理振興センターの公式サイトからオンラインで申し込みます。

なお2024年11月調査時点の費用は、オンライン受講で13,200円、対面受講で13,750円となっていますが、詳細は申込み前に改めて公式サイトでご確認ください。

参照元:日本産業廃棄物処理振興センター(https://www.jwnet.or.jp/workshop/list/haishutu_tokuseki/index.html)※2024年11月調査時点

管理責任者の業務プロセス

廃棄物管理のフロー

廃棄物の発生場所や発生状況から、実際に処理を行って報告を完了するまで一連の流れを廃棄物処理計画としてまとめます。

記録管理と報告

それぞれの処理や工程について詳細に記録し、必要に応じて行政機関や監督官庁へ報告を行うことも重要です。

監査と評価

廃棄物処理法の定めに則って、処理環境や設備が法的基準を満たしているかチェックし、内部監査を実施するだけでなく、外部監査に対しても責任者として応じます。

罰則と法令遵守の重要性

特管責任者の配置や特別管理産業廃棄物の適正な取り扱いは法的義務であり、違反者は法の定めに従って処罰されます。

違反時の具体的な罰則

特別管理産業廃棄物の取り扱いに不備があったり、特管責任者を配置しなかったりした場合、その違反内容によっては「5年以下の懲役、1,000万円以下(法人は3億円以下)の罰金またはこの併科」となります。

また違反者は業務停止命令などを出される恐れがある上、社会的に信用を失うため、事業継続にも大きな不利益となるでしょう。

(注:具体的な罰則額については、廃棄物処理法およびPCB特別措置法の最新の法令を確認してください)

法令遵守のメリット

法令遵守を心がけることでトラブルのリスクを避け、さらに社会的に信用度を向上させて将来に向けて経営の安定性や企業としての価値を高めることが可能です。

低濃度PCB処理施設の
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※日本各地に支店あり
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処理能力ピカイチ(※2)
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引⽤元:クレハ環境 https://www.kurekan.co.jp/treatment/iwaki.html

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収集運搬対応地域

北海道、東北、関東、東海

産廃の大手
エコシステム
エコシステム秋田のPCB無害化処理施設・設備

引⽤元:エコシステム秋田 https://www.dowa-eco.co.jp/EAK/pub

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収集運搬対応地域

公式サイトに記載無し

※1 2021年3月時点、当サイト調べによる。PCB廃油・処理物の1日あたり処理量が最も多い企業およびグループ
※2 2021年3月時点、当サイト調べによる。処理場ひと施設あたりのPCB廃油・処理物の1日あたり処理能力が最も高い