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PCB汚染物やPCB廃棄物は指定の施設において、PCB特別措置法にもとづいて適切な無害化処理を実施された後、それぞれの素材の特性に従ってリサイクルされることもあります。ただし、PCB処理後のリサイクルについてはあくまでも適切な無害化処理が行われた上で利活用することが前提となっており、例えば無害化処理によって素材が劣化したり、リサイクルに適さない状態になったりした場合は再利用することはできません。
PCB処理後にリサイクルできるものとしては、例えば以下のようなものがあります。
PCB廃棄物として廃棄対象となったトランスやコンデンサには、構造材料として鉄が多く利用されています。そのためPCBに汚染された鉄は回収後、無害化処理を行った上で、改めて鉄素材としてリサイクルすることが可能です。
導電性に優れた銅も様々な電気機器に使用されており、鉄と同様に無害化処理後のリサイクルに回されます。
ガラスもまたPCBを含む様々な電気機器の絶縁材料として使用されることがあり、回収・処理後にリサイクルされます。
PCB廃棄物やPCB汚染物は長く環境を汚染する物質として国際的に使用が規制されていますが、一方でPCBが無害化処理された後に残る様々な素材や資材はリサイクルによって新たな価値を再獲得することも重要です。
そして、その活用と再生の循環はまさに持続可能な社会の実現を目指す上で重要なポイントとなっており、限られた資源を有効活用することはSDGsのように、まさしく世界共通で掲げられている目標の達成に向けた道のりであると言えるでしょう。
環境や人類にとって有害とされる物質を使ってきた文明社会だからこそ、未来に向けて果たすべき責任の一環として、適切な無害化処理とリサイクルを考えていくことが大切です。
PCBを吸着している紙や、PCBを吸い込んだ木材といったPCB汚染物については、リサイクルによる利活用が認められていません。そのため、PCB汚染物である紙や木材といったものは適切な施設や業者によって無害化処理を施された後、焼却処理によって処分されることもポイントです。
なんとなく近隣の産廃業者を選びがちですが、期限や予算組みを考えると、短期間で確実に処理を完了させられる可能性の高い事業者への依頼がおすすめです。
その指標として、処理能力の高い業者(グループ単位)上位3社(※1)をピックアップしました。低濃度PCB処理における「ビッグスリー企業」への依頼を視野に入れ、スムーズにPCBの廃棄を完了させてしまいましょう。
※1 2021年3月時点、当サイト調べによる。PCB廃油・処理物の1日あたり処理量が最も多い企業およびグループ
※2 2021年3月時点、当サイト調べによる。処理場ひと施設あたりのPCB廃油・処理物の1日あたり処理能力が最も高い