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古い工場や事務所、倉庫などに設置された蛍光灯には、PCBを使用した安定器が残っている可能性があります。ただし、蛍光灯のPCB処理期限を一律に「2027年まで」と考えるのは誤りです。高濃度PCBを使用した安定器と、低濃度PCB廃棄物では期限も対応方法も異なります。
このページでは、蛍光灯の安定器に関する処理期限、PCB使用の見分け方、期限後に発見した場合の対応を紹介します。設置中の照明だけでなく、交換後に保管している器具も確認しましょう。
蛍光灯に関するPCBの問題は、主に照明器具の安定器に使用されたPCBが対象です。まずは、高濃度PCBと低濃度PCBの期限を分けて確認してください。
PCBを意図的に使用した古い安定器は、高濃度PCB廃棄物としての対応が必要です。安定器・汚染物等の法定の処分期間は、地域によって2021年3月31日または2023年3月31日までと定められており、いずれも終了しています。
また、JESCOによる高濃度PCB廃棄物処理の登録受付も、2025年10月15日で終了しました。この登録期限は法定の処分期間とは別です。現在、新たに発見した場合は、速やかに管轄自治体へ保管状況を報告し、対応を確認してください。
情報参照元:環境省「PCB早期処理情報サイト」
| 区分・対象地域 | 法定の処分期間の末日 |
|---|---|
| 高濃度PCBの安定器・汚染物等:北九州・大阪・豊田事業エリア | 2021年3月31日(終了) |
| 高濃度PCBの安定器・汚染物等:北海道・東京事業エリア | 2023年3月31日(終了) |
| 低濃度PCB廃棄物:全国共通 | 2027年3月31日 |
※高濃度PCBの地域区分は、JESCOの事業エリアによります。上表は安定器・汚染物等の期限を示したもので、変圧器・コンデンサー等の期限とは異なります。
情報参照元:環境省「PCB廃棄物の期限内処理に向けて」
低濃度PCB廃棄物の処分期限は、全国共通で2027年3月31日です。対象となる廃棄物を保有している場合は、調査、必要な分析、業者選定、契約、収集運搬などに要する期間を見込み、期限に間に合うよう手配する必要があります。
ただし、PCBを使用した安定器を、自己判断で低濃度PCBとして扱うことはできません。対象物の区分を確認し、低濃度PCB廃棄物と判断された場合に、その品目を扱える無害化処理認定施設や都道府県知事等の許可施設へ相談しましょう。
情報参照元:環境省「PCB廃棄物の期限内処理に向けて」
関連ページ:低濃度PCBの処理期限と準備の進め方
古い蛍光灯だからといって、必ずPCBが使用されているわけではありません。照明器具の種類と安定器の情報を確認し、メーカーの判別資料などに照らして判断します。
蛍光灯のPCB使用を調べる際は、交換する蛍光管だけを見るのではなく、照明器具側の安定器を確認します。安定器は、蛍光灯に流れる電流を調整する装置です。古い製品の一部では、内部の力率改善用コンデンサーにPCBが絶縁油として使用されていました。
そのため、蛍光管に記載された製造年や型番だけでは、安定器のPCB使用の有無は判断できません。新しい蛍光管に交換していても、器具内の安定器は古いままという場合があります。照明器具と安定器を分けて確認することが大切です。
情報参照元:パナソニック「PCBが使われている照明器具・部品は。」
国内では、1957年1月から1972年8月までに製造された安定器の一部にPCBが使用されていました。主な対象は業務用・施設用の照明で、環境省は一般家庭用の蛍光灯等の安定器にはPCBが使用されたものはないとしています。ただし、住宅に業務用器具が設置されている場合は別に確認が必要です。
また、製造後に器具が設置・移設された可能性もあります。環境省は、1977年3月までに建築・改修された建物の古い安定器について確認を呼びかけています。建物の築年数だけでPCB不使用と判断せず、機器の情報を確認しましょう。
情報参照元:環境省「PCB含有の有無を判別する方法」
安定器に貼られた銘板には、メーカー名、型式・種別、力率、製造年月などが記載されています。これらをメーカーの判別資料や日本照明工業会の案内と照合します。器具によって搭載部品が異なるため、複数ある場合は一部の確認だけで済ませず、全数を調べることが基本です。
銘板が読めない場合や資料に該当する型式がない場合は、メーカーや管轄自治体へ相談してください。確認のために安定器を分解したり、穴を開けたりしないようにしましょう。器具内の点検は、電気工事業者などへ依頼してください。
情報参照元:環境省「PCB含有の有無を判別する方法」
関連ページ:安定器のPCB判別方法について詳しく見る
処分期間が終了していても、一般の廃棄物として捨てられるわけではありません。高濃度PCBを使用した安定器を発見した場合は、自治体への連絡と適正な保管が必要です。
高濃度PCBを使用した安定器が新たに見つかった場合は、保管場所を管轄する都道府県または政令市のPCB担当窓口へ連絡します。メーカー・型式、数量、設置場所、使用中か撤去済みかなど、分かる情報を伝え、必要な報告様式や届出について確認してください。
環境省は、JESCOの登録期限後に新たに存在が判明した高濃度PCB廃棄物について、新たな処理体制で適正に処理されるまでの保管を求めています。処分先を自己判断で決めず、自治体の案内に従うことが大切です。不明な機器も放置せず相談しましょう。
情報参照元:環境省「高濃度PCB廃棄物の適正な保管及び保管状況の報告について」
PCB使用安定器が使用中の場合は、そのまま使い続けず、電気工事業者などへ使用停止と交換・撤去を相談しましょう。古い安定器は劣化により破損や漏えいが生じるおそれがあります。所有者や管理者が自分で器具から取り外したり、内部の油を抜いたりすることは避けてください。
撤去後は、PCBの飛散・流出を防ぎ、保管基準に従って管理します。環境省は、安定器等を金属製のドラム缶やペール缶に格納して保管するよう案内しています。保管場所の掲示や雨水・高温への対策も含め、具体的な方法を自治体へ確認してください。
情報参照元:環境省「高濃度PCB廃棄物の適正な保管及び保管状況の報告について」
情報参照元:環境省「PCB廃棄物適正保管手順書」
照明がLEDになっていても、PCB使用安定器がなくなったとは限りません。既存の蛍光灯器具を利用して直管LEDランプへ交換した場合、器具の内部に古い安定器が残っていることがあります。点灯している光源の種類だけで、PCBの調査が不要と判断しないようにしましょう。
器具ごと交換した場合も、撤去した器具や安定器を倉庫などで保管していないか確認が必要です。設置中の器具と、取り外して保管している機器の両方を調べましょう。交換工事の記録があれば、安定器の撤去・処分状況を確認する手がかりになります。
情報参照元:環境省「高濃度PCB廃棄物の処理手続きについて」
蛍光ランプの「2027年問題」は、水銀に関する水俣条約を背景とした製造・輸出入の規制です。一般照明用の蛍光ランプは、種類に応じて2026年から段階的に規制され、2027年末までに製造・輸出入が禁止されます。安定器に含まれるPCBの処分期限とは別の制度です。
この規制によって、使用中の蛍光ランプが一律に使用禁止になるわけではありません。ただし、PCB使用安定器を使い続けてよいという意味ではありません。光源の更新計画とPCB機器への対応を分け、古い安定器の有無は早めに確認してください。
情報参照元:環境省「一般照明用の蛍光ランプの規制について」
自治体やメーカー、調査業者へ相談する際は、次の情報を分かる範囲で整理しておくと、確認が進めやすくなります。
情報がそろっていなくても、相談を先延ばしにする必要はありません。銘板の撮影に器具の開放や高所作業が必要な場合は、無理に作業せず専門業者へ依頼してください。
蛍光灯のPCB処理では、器具内の安定器を確認し、高濃度PCBと低濃度PCBを区別することが必要です。高濃度PCBの安定器の処分期間はすでに終了しているため、新たに発見した場合は管轄自治体へ報告し、撤去や保管について確認しましょう。
低濃度PCB廃棄物と確認されたものは、2027年3月31日の処分期限に向け、その品目に対応できる業者へ相談してください。以下のページでは、低濃度PCB処理の依頼先を選ぶ際のポイントや、処理業者の情報を紹介しています。
※本ページは2026年10月20日時点の公表情報に基づいています。
なんとなく近隣の産廃業者を選びがちですが、期限や予算組みを考えると、短期間で確実に処理を完了させられる可能性の高い事業者への依頼がおすすめです。
その指標として、処理能力の高い業者(グループ単位)上位3社(※1)をピックアップしました。低濃度PCB処理における「ビッグスリー企業」への依頼を視野に入れ、スムーズにPCBの廃棄を完了させてしまいましょう。
引⽤元:オオノ開發 https://www.ohno-as.jp/frep/
全国
※日本各地に支店あり
(東京、大阪、福岡、愛媛)
引⽤元:クレハ環境 https://www.kurekan.co.jp/treatment/iwaki.html
北海道、東北、関東、東海
引⽤元:エコシステム秋田 https://www.dowa-eco.co.jp/EAK/pub
公式サイトに記載無し
※1 2021年3月時点、当サイト調べによる。PCB廃油・処理物の1日あたり処理量が最も多い企業およびグループ
※2 2021年3月時点、当サイト調べによる。処理場ひと施設あたりのPCB廃油・処理物の1日あたり処理能力が最も高い